2015年10月21日

メンタルヘルス対策は企業の利益にもなる



 メンタルヘルス問題は、企業にとって大きな課題である。従業員が心身に不調をきたして休職や退職をしてしまったら、企業にとって打撃であるだけでなく、社会にとっても損失である。そのため、近年では多くの企業がメンタルヘルス対策に力を入れているが、思うように効果が上がらないことも多いようである。
 記事中では日本を代表するIT企業のメンタルヘルス対策が紹介されているが、IT業界は特にメンタルヘルス問題が多いことで知られている。そのような業界にあって、記事に登場する2社は、社員一人あたりの執務スペースの拡大、有給完全消化、残業削減、業務の見直し・負荷分散、eラーニングの導入などの対策を行い、社員の帰属意識の向上、休職者の減少といった成果を上げている。これが生産性の向上につながり、企業の業績にも好影響を与えていくだろう。
 メンタルヘルス対策は、決して企業の利益を犠牲にして社員を守るためのものではない。むしろ、企業の利益のために必要なものなのである。(鈴木聡志)