2016年11月14日

待つ医療、迎える福祉から、地域で住民が支え合うケアシステムへの転換

[人口減少克服に向けた取組み]
 2015(H27):現在、75歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合は13.0%2025(H35)年には、75歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合は18.1%となり、団塊の世代がその年齢になる頃。総人口のうち、5.5人に1人が、後期高齢者になると推計されている。
さらに世帯の状況も変化する。世帯主が65歳以上の夫婦のみの世帯や65歳以上の単独世帯が増加し、2025年には世帯数全体に占める割合は4分のⅠを超える見込みである。
このような中でも介護が必要な状態になっても、高齢者が住み慣れた地域で生活を続けることができるように、医療、介護、生活支援など日常生活を支えるサービス基盤を確保するとともに、多様な主体による地域の支えあいの取り組みを促進することが求められている。この点、現在、厚生労働省では団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、「地域包括ケアシステム」の構築を推進している。(H27年度 厚生労働白書)

[地域包括ケアシステム]に関するアンケート調査結果(同白書からの引用・要約)
    自身や家族が介護を必要とするときに受けたい介護の希望を調査した結果、自宅での介護を希望する人は、自身の回答で74%、家族の回答で80%であった。
    上記①の回答を実現させるためには、地域において、介護・福祉サービス等が適切に確保される必要があり、また高齢者の状態に応じて、バリアフリー等の環境が確保された住宅の整備や、自宅での介護が困難となった場合の施設の確保といった観点も含めて、地域における高齢者の生活を支えていく体制を整備する必要がある。
    「地域包括ケアシステム」とは、<介護が必要な状態になっても、高齢者が可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した生活を続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制である。厚生労働省では、団塊の世代が75歳以上となる2025(H37)年に向けて地域包括ケアシステムの構築を推進している。高齢化の状況や地域資源の状況などは地域によって異なるために、それぞれの地域の実情に応じた取り組みを進めることが重要となっている。

[関係法令の整備]
 平成26(2014)6月、「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備等に関する法律(平成26年法律第83号。以下、「医療介護総合確保推進法)という」による介護保険法の改正により。市町村が行う地域支援事業に、在宅医療・介護連携の推進を位置づけた。この取り組みは、地域における医療・介護の関係機関が連携し、多職種協働により、在宅医療・介護を一体的に提供できる体制を構築することを目的に、市町村が中心となって、地域の医師会等と緊密に連携しながら、地域の関係機関の連携体制の構築を図るものである。