この小説とつながる話題を一つ。2015.8.24の参議院の集中審議の中で、新党改革・無所属の会・新井広幸議員が文科大臣と厚労大臣に答弁を求めた。それは、「国民総ヘルパー制度の構築について」だ。それは以下のような試案であった。
「‥‥中学生・高校生に、正規のカリキュラムにおいて、介護ヘルパーの資格を取得させ、
家族や地域でサービス提供者として算入させてはどうか?」という提案。2020年にはサービス提供者は226万人必要とのこと、しかし、現在の見込みでは、介護の離職者、サービス提供者の高齢化などから、206万人が供給されるものの20万人の不足が見込まれるとのこと。その不足分を、どのようにして充当するかという問題意識からの提案だった。
中学校は、国公立で約9千校程度、私立校で約5千校程度あるとのこと。中学の1、2年生の時に、正規のカリキュラムで、初任者研修資格(旧・ヘルパー2級資格)等を取得させれば、高齢者への関心も高まり、やがて地域福祉の担い手として育つという考えだ。
ついにこのような提案が、全国放送の国会中継で、堂々と議題になったことに驚いた。ついに、国も介護問題、超高齢社会のエイジング教育に一歩踏み込んだのか!と‥。その提案に対して、文科大臣も厚労大臣も、賛意を述べていた。
新科目「公共」を設ける案が、文科省の「中央教育審議会」で、目下の検討課題になっているらしい。この科目で、介護の意義や社会保障制度などを詳しく教えるという内容が検討されているとのこと。高齢者問題は、火中の栗で誰も手を出さない?ままになっていたが、ついに拾わざるをえなくなった!。読者の皆さんは、どう思いますか。(担当・谷口)