2015年9月21日

「労働時間は9時~17時の8時間」という常識を疑ってみる


 ホワイトカラーの労働者の労働時間といえば、月曜日から金曜日の9時~17時まで18時間、計40時間働き、土日が休み、というのが一般的なイメージであろう。実際は残業が発生するためこれよりは長くなるかもしれないが、週の労働時間が原則40時間というのは労働基準法にも定められていることである。

 そのような常識に疑問を投げかける研究がある。オックスフォード大学のポール・ケリー博士の研究によれば、9時~17時という一般的な就業時間は従業員のパフォーマンスを落とし、健康を害する原因になるので55歳以下の人には適していないのだという。博士は、従業員の始業時間は10時にするべきで、9時から働き始めるのは55歳になってからのほうがよいと言っている。さらに、長時間労働などで睡眠不足になっている人は多いが、16時間未満の睡眠が1週間続いた場合、711個の遺伝子機能に変化が生じるとの研究結果もある。


 また、現在スウェーデンでは、第2の都市ヨーテボリにおいて、18時間労働を6時間に短縮する社会実験が行われている。その結果、時間が貴重だとの意識が強まり、6時間で帰宅できるようにかなり集中力が高まるそうである。この実験は来年まで続く予定で、現在のところは効率は上がるが成果は下がるという状況になっているようだが、結果に注目したい。

http://labaq.com/archives/51857069.html

 このように、日本でも労働時間については従来の常識にとらわれることなく、始業時間をずらしたり、時間を短くしたりする工夫がもっとあってもよいのではないだろうか。(鈴木聡志)