低所得高齢者への3万円支給。補正予算による特別支給は、「老人優遇策で、次の選挙目当てだ」という論調。「若者世代の年金は将来、納付額よりも給付額が少ない」、「なぜ、日本の将来を担う若者世代を優遇しないのか」、「政治家は、目先の票目当ての政策しか採らない」、「いつも次世代に繋がる本質的課題は先送りだ」などの論調で、他世代の擁護派もいたけれど、まるで老人世代は邪悪の根元といった雰囲気だった。若者世代は教育、成人世代は仕事、老人世代は余暇というかっての紋切り型の人生区分の名残の反映だろうか?
長年の社会・経済を支えてきた祖父母世代・父母世代、そして今の若者世代という3世代の対立の構図はどうして生まれるのか?。
人の生涯発達に断続はないというのが生命科学の事実である。20年後には、今の父母世代に入り、そして40年後には、今の祖父母世代に近づくのが今の若者世代。気づいた時には、老人世代と見なされているのだ。その時、また時の若者に、”老人は悪、けしからん”のどつぼにハマっている!ことになる?。
生きることの価値は何か? 。経済?、健康?、人間関係?、生きがい? どれも大事。これらは、全ての世代が協働して関わらねば実現しない。対立よりは融和、バランスが大事!。
日本人には明確な人生哲学が少ない、哲学より現実の経済を優先すると言われるが、生涯を見通す人生哲学を個々人が持つことが必要と言われる。先輩世代に対する無関心・葛藤・対立の構図は、21世紀日本の生産的な未来にはつながらないことを自覚し、相互理解と融和につながる世代間交流と諸政策が必要と切に思う。(谷口)