2015年6月29日

認知症 早期発見と告知のケア


物忘れは加齢に伴って、誰もがある程度経験するものである。
高齢期を迎えた、あるいは近づく時に、
自分の物忘れが正常な範囲であるのか、
心配になってしまう人も多いのではないだろうか。


告知を受けたことで落ち込んでしまい、
意欲の低下やうつ状態になる場合もある。
また家族の方がショックを受け、うつになるようなケースもある。


認知症とMCI、また物忘れがあることとMCIとの段階は
診断によって区別されるものであるが、
しかし、MCIと診断されたすべての人が認知症になるわけではない。
特に何もしなくても正常な認知機能に回復したり、
最後まで認知症の症状が出ない人がいることが調査によって明らかとなっている。


MCIの数は、65歳以上の高齢者のうち推計400万人以上と言われる。
進行した後の根本的な治療が見つかっていない認知症にとって、
早期発見と予防が大切であることは言うまでもないが、
早期診断・治療とともに、
心のケアを考えた診断・告知もまた重要な課題ではないだろうか。
自身に起こっている変化について、
当然、本人が一番不安や恐怖を感じていることを忘れてはならない。
(坂井圭介)