2015年7月21日

おじいちゃん、おばあちゃん、すごいじゃん! 


2015年6月のコラムでも紹介した「東海大学健康クラブ・市民健康スポーツ大学」(http://www.ihs.u-tokai.ac.jp/kenkouclub/)の活動に参加した学生の感想文には、その活動に参加している中高年世代に対する新鮮な驚きとその活動の継続が若者世代にとっても意義深いことが述べられている。その感想文の幾つかを紹介してみる。

 学生Aさん:楽しくエクササイズしていた。地域との交流は、楽しくやっていくことが大切だ。地域とのコミュニケーションが取れる大切な場であると感じた。地域の大人の人達と話をする機会が出来て良かった。健康講座として骨の働き、とくに50歳台を過ぎた女性の骨粗鬆症の話、筋肉を付けるためには、運動前にチーズなどのタンパク質を採ることの重要性などを知った。市民の人達と二人一組になって行ったエクササイズも楽しかった。

学生Bさん:予想した以上に市民会員の参加が多かった。参加者の方が今までの健康データをファイルして持参されていることに驚いた。自分の健康についてのこだわりの強さを感じて驚かされた。健康講義では、骨の知識や精神面の健康の大切さを知った。体力づくりトレーニングでは、ゴムチューブを使ったエクササイズで、普段使わない筋肉を刺激して筋肉量の増加を目指す運動を一緒に行ったが、自分の筋力の無さに気付かされた。市民の健康をサポートする活動に参加して知識のみならず、色々と視野を広げる契機になった。

学生Cさん:平成27年度の第一回体力健康測定に参加した。体力測定に参加して、自分の体力の現状を知り、体力のなさを実感した。市民会員のおじいちゃんの測定結果が私より良かったので、自分の運動不足を感じた。東海大学健康クラブは、総合型地域スポーツクラブとして、大学とその所在地の自治体が連携して運営している。教育と研究の場である大学で、市民の健康データを集めて分析して、会員の方に結果をフィードバックしていくことで、地域の人との交流を深める活動は、超高齢社会の日本では、ますます広げていく必要があると思った。

 以上、学生たちの感想から、高齢者世代に対する思い込み(体力が自分たちより低い。参加者は限定的で少ない、健康への無関心など)が必ずしも正しくないこと、社会活動や健康維持への意欲が高いことに改めて気づきを深めている様子がうかがえる。活動意欲のある地域の高齢者が大学の場で、学生と共に交流することの意義を学生達も実感しつつある。

とくに身体活動を介した老若世代間の活動は、自然と親しくなれる有効な手立てと思われる。(谷口)