2015年4月27日
日本で働きたい大勢の若くて有能な外国人
「沖縄は日本の将来の縮図だ」と那覇市の人材会社社長は話す。「台頭する新興国の若者たちは好条件の職を貪欲に求め来日する。中国人もインド人もわずか数か月で日本の新聞が読めるようになり、言葉の壁はない」と強調する。これに対して、日本の若者はどうか。2010年の日本人留学者数は約58000人とピーク時の04年から3割減である。「内向き志向」がより顕著だ。世界を見渡すと、製造業の集積する新興国が雇用や賃金を先進国から奪う局面が続いている。日本の若者が世界の若者と雇用を奪い合う構図が今後より鮮明になるだろう。日本の若者が自らを磨き、彼らが活躍する環境を日本社会が整え、総力戦を挑んでいくことにより日本の未来が救える(日経新聞2013.5.5)〈解説:所正文〉。
2015年4月20日
高齢ドライバー激増時代の到来
高齢者の運転免許保有率は、過去30年間に大きく上昇し、2013年末には70歳代前半の保有率は60.2%まで上昇し、男性では8割を大きく超えている。さらに戦後ベビーブームに生まれた団塊世代と呼ばれる人たちが、いよいよ高齢者講習の対象となる70歳に近づきつつある。70歳代前半の性別・運転免許保有状況を中長期的に推定すると2030年には女性の免許保有者数は2010年の2.8倍となり、免許保有率は8割を超える。ちなみに、これは2010年の男性の免許保有率を上回る。女性・高齢ドライバーが急増することが窺える。
70歳を超えて自動車を運転する人とは、1980年代までは限られたごく一部の男性であったが、それが90年代後半には大半の男性に変わった。そして、21世紀の四半世紀が経過する頃には、ほぼすべての男女が高齢ドライバーになる。すなわち、今後20年以内に男女を問わず大半の高齢者が車を運転する時代になることが確実である。自動車を運転することが大半の高齢者の日常生活に組み込まれることは、まさに画期的な社会変革と言える。また、それに伴う新たな問題も発生するわけであり、21世紀の重要な社会問題になってくると言える。(所正文)
いわゆる「残業代ゼロ法案」について
2015年4月3日、政府は改正労働基準法を閣議決定した。そこでは新たな労働制度として、「高度プロフェッショナル制度」が設けられた。これは、高い専門性を持つ年収1075万円以上の者に対しては、残業代や深夜勤務手当などを払わなくてよいというものである。その理由としては、高度なスキルを持つ人材に対しては労働の時間ではなく成果で評価し、多様な働き方の選択肢を増やすためである、としている。
この法案については各方面から「残業代ゼロ法案」であるとの批判が上がっている。上記の改正理由は建前に過ぎず、本音は残業代を削って人件費を抑制したいだけではないのかという批判である。携帯電話の料金プランをもじって、「定額働かせ放題法案」などという揶揄もある。また、現時点では対象者が限定されているが、今後対象者の年収が引き下げられるなど、適用範囲が拡大されるのではないかとの懸念もある。
この法案が理念通りに運用されれば、短時間で成果を出して早く帰るという働き方もできるようになるというメリットも考えられるが、果たしてそのように上手く行くのか、今後の動向を注意深く見守る必要がある。(鈴木聡志)
自動運転
人間による自動車の運転行動は、刺激を知覚し、その意味を読み取り、それに対する適切な行動をとるといった一連の「認知-判断-操作」機能によって司られている。これは筋能力と感覚との調整(協応)能力であり、心理学ではサイコモーター特性(精神運動能力)と呼ばれている。人間を介さずこのメカニズムが機能するとき、まさに自動運転の完成であり、現在急ピッチで開発競争が進んでいる。
ブレーキとアクセルを踏み間違えても、自動車内に搭載されたカメラと超音波センサーによって衝突前にブレーキが作動するシステムはすでに実用化している。渋滞時にこまめにペダルを踏むことなくハンドル操作だけで車間距離を調整するシステムも動いている。
現時点での自動運転の目的は、渋滞解消や交通事故の予防などへの貢献が指摘されているが、高齢者や子ども、障害者など、自ら運転できない人を運ぶことに大きなニーズがあると見る向きもある。〈解説:所正文〉
Give Wayと江戸しぐさ
運転の基本は愛他精神であるとの考え方がイギリスには伝統的に存在し、一時停止の標識は「とまれ(Stop)」ではなく、「相手に道を譲れ(Give Way)」と標示される。交通行動としては、日英とも一旦止まるという点では同じあるが、相手に道を譲るために自分が止まるということを意味する“Give Wayの標識”は「他人への配慮の重要性」を示す大変インパクトのある標識である。この日本版とされるのが「江戸しぐさ」である。争いを避け、互助の精神で生きていくために江戸っ子たちが身につけた江戸しぐさの数は約1000種類とされる(越川,2006,2007)。「こぶし腰浮かせ」は、乗合船などで後から乗り込んできた人のために、皆がこぶし一つ分ほど腰を浮かせて詰め、席を譲るというしぐさ、まさに"Give Way"そのものである。「うかつあやまり」とは、人ごみの中では人の足を踏んでしまった方だけでなく、踏まれた方も「こちらこそうっかりして」と一言返すしぐさ、"Thank you" と"Welcome"のやりとりに似ている。〈解説:所正文〉