2015年5月11日

キーワード:運動習慣

日々の生活において、意図的に身体活動量を増やすために、
運動やスポーツを定期的に実施することを言う。

厚生労働省の定義では、
週に2回・一回30分以上・一年以上継続して実施している者を
運動の定期実行者(運動習慣者)と定義している。
毎年実施されている国立健康栄養研究所の調査によると、
20―64歳の成人の運動習慣者は、男女平均して3割弱であり、
過去20数年間それ以上に増えない現状がある。

ただ65歳以上では、男性47%、女性37%と
健康維持のためにかなり運動習慣者が増加している。
「健康日本21・第二次」(第四次国民健康づくり運動)では、
日常生活における歩数の増加を目指して、
2023年には、20―64歳の男性9,000歩、女性8,500歩を目標とし、
また65歳以上の男性7,000歩、女性6,000歩を目標としている。
さらに運動習慣者の割合も、20―64歳の男性36%、女性33%を目標とし、
他方65歳以上の男性58%、女性48%を目標としている。個人の努力も勿論のこと、
運動環境の整備も喫緊の課題となっている。
(谷口幸一)

キーワード:ジェロントロジー・スポーツ

従来から重視されてきた生物学的視点(加齢による身体的機能の低下)から、
積極的に身体機能の低下を防ぐ手法として運動とスポーツを捉え、
加えて心理学的視点から心と身体の調和、
人間発達、パーソナリティ、適応能力を
高めていく事に主眼を置いた運動・スポーツによるアプローチであり、
心身の発達の実情に適った運動・スポーツのあり方が求められる。
現在では、競技スポーツ、健康スポーツ、レクリエーションスポーツなどの
多様な分野に分かれている。
(谷口幸一)

キーワード:ジェロントロジー(Gerontology)

老年学、または加齢学と訳される。
身体的機能の低下に捉われることなく、
エイジング(老化・加齢)をより深く多角的な視点で捉え理解することで
個人の生きがいを再創出するとともに、
個人の人格が尊重され、
生きがいとその存在感における「社会づくり」を提言するための分野である。
そのためには、医学、生化学、生理学、生物学などの生命科学、
工学、建築学、情報科学などの自然科学にとどまらず、
心理学、教育学、社会学、社会福祉学、文化人類学などの社会科学
ならびに芸術、文学などの人文学など、
多方面から「人の老い」についてアプローチして、
サクセスフル・エイジング(幸福な老い:上手に年を重ねること)に
有益で適切な政策や技術の開発を目指す学際的分野である。

国際老年学会は、1946年に米国で設立されて以来、
現在ではJ.of Gerontology(医科学分野、心理学分野、社会学分野の3部門)が、
毎年・各4分冊で定期刊行されている。
(谷口幸一)

キーワード:健康寿命

活動的平均余命」とも言う。
寿命の単なる延伸だけではなく、
QOL(Quality of Life:生活の質)も重視する観点から、
「日常生活で介護を必要としない、
心身ともに自立した活動的な状態で生存できる期間」として、
WHO(世界保健機関)により提唱された概念である。
平均寿命とともに国際比較の基準として西暦2000年以降、公表されている。

日本の健康寿命は、
現在男子71.19歳(対2010年比+0.78歳)、
女子74.21歳(対2010年比+0.59歳)で男女ともに世界一位の順位にある。
理想的には平均寿命(男性80.21歳;女性86.61歳)と健康寿命が同値になることであるが、
男性で9.02年、女性で12.40年の開きがある。
超高齢者(85歳以上の者)の増加に伴い、
要介護状態の割合が増えたことから、その格差が広がりつつある。
(谷口幸一)

2015年5月10日

キーワード:長谷川式簡易知能評価スケール【HDS-R】


認知症は、初期段階で発見し治療を始めることが、
症状の悪化を防ぐために大切であるが、
実際には、日常生活に支障が出ず、
本人も周りの人間も気が付かない場合がある。

長谷川式簡易知能評価スケールは、
長谷川和夫によって作成された簡易知能検査で、
主に記憶力を中心とした認知機能障害を大まかに確認することができる。

質問に口頭で答えるもので、
9項目の設問のみで比較的短時間(15分前後)で実施でき、
医師でなくともある程度客観的に
認知症の有無を判断することができるため、
米国で開発されたMMSE(Mini Mental State Examination)と並んで
医療施設や介護サービス事業所で多く用いられている。



 (クリックで拡大)
  (30点満点で20点以下だと認知症の疑いが強いとされる)

2015年5月3日

キーワード:BPSD

「うちのおじいさんは認知症になって、
最近ありもしないことを疑うようになった。
急に怒り出す。今話したことを何度も聞いて困る。」

認知症の話題が一般的になり、その症状についてもよく話されるようになった。
しかし、これらのような認知症の症状は、
一括りにして扱われるべきではない。

「今話したことを忘れる」のように、
記憶障害など、脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状を、
認知症の中核症状という。
他にも判断力の低下、実行機能障害など、
これらは直接起こる症状であるので、
程度の差はあれ、すべての人に見られる症状である。

一方、お金や物をとったなどと疑う(物盗られ妄想)や
穏やかな人がいつも怒っているようになった(感情表現の変化)などの症状は、
中核症状に伴い、元々の性格、環境など
様々な要素が絡み合って起こっているもので、
このような行動・心理症状を「周辺症状」と呼ぶ。
近年はこれをBPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)
と表すようになった。

BPSDは、認知症の理解不能な困った行動と捉えられてきた。
中核症状自体の改善は難しいが、
BPSDについては、対応や環境を変えることで改善することがある。
本人の世界やその行動の理由を考えて、
何がその行動を引き起こしているのか理解をしながら
関わることが大切である。

(坂井圭介)

2015年5月1日

キーワード:地域包括ケアシステム

高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らし続けられるよう、
住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供するための
新しい支援体制・しくみのことを示す。

生活の支援が必要になった高齢者が地域で住み続けるためには、
必要に応じ、切れ目ない支援が円滑に提供される必要がある。
住民が必要な相談を行う際、医療・介護・生活支援など
それぞれの対応にあたる窓口や機関が離れているために、
必要な支援を受けるのに時間がかかることがある。
医療・介護サービスの整備も課題だが、
一体的、包括的なサービス提供体制と専門職などの連携が求められている。

厚生労働省は2025年を目途に、各市町村の介護保険事業計画を通じて、
この地域包括ケアシステムの構築を目指しており、
具体化にはそれぞれの市町村の力量が問われている。


(坂井圭介)