老年学、または加齢学と訳される。
身体的機能の低下に捉われることなく、
エイジング(老化・加齢)をより深く多角的な視点で捉え理解することで
個人の生きがいを再創出するとともに、
個人の人格が尊重され、
生きがいとその存在感における「社会づくり」を提言するための分野である。
そのためには、医学、生化学、生理学、生物学などの生命科学、
工学、建築学、情報科学などの自然科学にとどまらず、
心理学、教育学、社会学、社会福祉学、文化人類学などの社会科学
ならびに芸術、文学などの人文学など、
多方面から「人の老い」についてアプローチして、
サクセスフル・エイジング(幸福な老い:上手に年を重ねること)に
有益で適切な政策や技術の開発を目指す学際的分野である。
国際老年学会は、1946年に米国で設立されて以来、
現在ではJ.of Gerontology(医科学分野、心理学分野、社会学分野の3部門)が、
毎年・各4分冊で定期刊行されている。
(谷口幸一)