2015年11月21日

21世紀日本研究セミナー第9回開催案内


●開催日程:
    20151128日(土)
       セミナー:1430分~17時頃まで
       懇親会 :1745分~19時半頃まで

●開催場所:
 セミナー:立正大学品川キャンパス・9号館9B16教室
 懇親会 :立正大学品川キャンパス・教員レストラン(2号館12階「芙蓉峰」)

●セミナー内容:
【交通・生活系】「高齢ドライバー調査を受けて」

●プログラム:
開会挨拶:1430分~1440分(10分)
 所正文(立正大学)
話題提供:1440分~1540分(60分)
【テーマ】高齢ドライバー調査研究報告
 話題提供者・学生(1)1440分~1455分(15分)
 話題提供者・学生(2)1455分~1510分(15分)
 話題提供者・学生(3)1510分~1525分(15分)
 話題提供者・学生(4)1525分~1540分(15分)
質疑20分:1540分~1600
休憩10分:1600分~1610
指定討論:1610分~1650分(40分)
【主な内容】高齢ドライバー研究の方向性
 指定討論者:所正文(立正大学心理学部)
全体討論:1650分~1710分(20分)
次回案内・記念撮影:1710分~1725分(15分)
セミナー閉会

●懇親会:
  会場:立正大学・教員レストラン(2号館12階「芙蓉峰」)
  日程:1745分~19時半頃まで
  会費:社会人(3000円),学生(1000円)

高齢ドライバー問題に隠れた歩行者事故問題の重要性


2015年は、高齢ドライバー問題が大きな社会問題となり、世論の関心は高く、新聞やテレビで取り上げられる機会も増えている。高齢者が自動車事故の加害者となるケースが増え、認知症を患ったドライバーによる事故も起きている。今年に入って、75歳以上の高齢者講習時に実施される認知機能検査に基づく免許更新手続きを、より厳しくする道路交通法改正が行われた。高齢ドライバーを取りまく中年以下の人たちの意見は大変厳しく、「危ないから運転は止めてほしい」が最大公約数であり、高齢ドライバーの運転は法律で禁止してほしいと言う意見まで出ている。

 しかし、マスコミが高齢ドライバー問題を誇張して報道する余り、最も重要な問題が見逃されている。1990年代後半から交通事故死者数は大幅に減少しているが、死者数全体に占める65歳以上高齢者の割合は年々増加し、2009年に遂に50%を超え、その後も増加している。そして、65歳以上の死亡事故のおよそ半分は「歩行中」である。さらに、歩行中の死亡事故は、交通事故死亡者全体で見ても3分の1以上を占め、先進国の中で突出して高い。すなわち、日本の交通事故問題は、歩行中の死亡事故問題が最大の問題であり、超高齢社会の進行と共に、とりわけ高齢者が犠牲になるケースが増えているのである。これが見逃され、高齢ドライバー問題ばかりが取り上げられていることが大変懸念される。

歩行中の死亡事故が多い背景には、1970年代以降、車社会が急ピッチで進み、歩道の整備が大幅に遅れていることがあげられる。多くの自動車が歩道のない狭い道を行き交い、高齢者が溝板の上を歩かざるを得ない光景は、地方社会のどこでも見られる。交通社会の原則からすれば、歩行者、自転車、公共交通機関、そして自動車は、交通参加者として対等であるはずであるが、日本の交通社会では、自動車に大きな優先権が与えられている。これは欧州の交通社会ではあり得ないことである。対策としては、自動車優先主義を改め、走る凶器になる自動車を操る全ドライバーに対して、厳しい条件が課される必要がある。決して、一定年齢以上の高齢者だけをターゲットするべきではない。この考え方を交通政策の根幹に据え、そうした政策を積み重ねていけば、必然的に高齢ドライバーの免許の自主返納へとつながると考えられる。(所正文)

ブラックバイトについて


 最近、「ブラックバイト」という言葉が世間を賑わせている。もともと「ブラック企業」という言葉があり、これは長時間労働や残業代未払いなどの悪い労働環境にある企業を指す言葉で、従来は主に正社員が被害に遭うとされていた。ところが、企業の人件費抑制方針により、派遣社員やアルバイトなどの非正規雇用が増大し、彼らにも違法なサービス残業や賃金未払いなどの皺寄せが行くようになり、「ブラックバイト」などと騒がれるようになった。

 ブラックバイトに関しては、例えば次のような問題が報じられている。仙台市のバーでアルバイトをしていた男子学生は、次第にほぼ毎日の勤務を求められるようになった上、7か月分の賃金が支払われず、さらに赤字の補填を強要され、「売り上げが少ない」と暴力を振るわれていたという。男子学生は経営者に対し、未払い賃金の支払いを求める訴訟を起こしている。また、某飲食チェーン店では、男子学生が4か月間毎日12時間勤務をさせられた上、一部の賃金が未払いで、ミスにより商品購入を強要され、「殺してやる」などと恫喝され、退職の申し出に4000万円の損害賠償請求を示唆された。男子学生は鬱病を発症し、大学の単位も取れなくなってしまったという。

 このような問題に対して、「辞めればいいではないか」という声もある。しかし、パワハラや暴力、契約書による支配、損害賠償などの金銭請求といった「職場の論理に従属させる人格的支配」が行われ、さらに貧困により学費を稼がなければならないという事情も重なり、簡単には辞められないのである。

 ブラックバイト問題は、当事者一人で解決するのは困難である。もしこの問題で困っていたら、家族、友人、大学の教職員や、ブラックバイトユニオンといったNPO法人などに相談することをお勧めする。(鈴木聡志)