2015年5月25日

セミナー開催(2015年度5月)

21世紀日本研究セミナー 第8回

●開催日程:
    2015530日(土)
       セミナー:1430分~17時頃まで
       懇親会 :1730分~19時半頃まで

●開催場所:
    セミナー:立正大学品川キャンパス・9号館9B16教室
    懇親会 :立正大学品川キャンパス・学内食堂
         (6号館1階「すえひろ」)

●セミナー内容:
【仕事・人間系】「就活を通して人生全体を考える」

●プログラム:
開会挨拶:1430分~1440分(10分)
所正文(立正大学)

演:1440分~1620分(100分)
小林源氏
(産業カウンセラー、キャリアコンサルタント、キャリア教育アドバイザー)
【講師紹介】
早稲田大学文学部心理学専修卒業後、大手企業で営業および人事管理に従事、
この経験を活かして定年後は、大学や専門学校で教職に就いている。
さらに、就労支援カウンセリングを1000人超に実施してきている。

休憩10分:1620分~1630
全体討論:1630分~1650分(20分)
次回案内・記念撮影:1650分~1710分(20分)
セミナー閉会

●懇親会:
  会場:立正大学学内食堂(6号館1階「すえひろ」)
  日程:1730分~1930
  会費:社会人(3000円),学生(1000円)

参加ご希望の場合には5/15(土)までに所正文(mtokoro@ris.ac.jp)へご連絡下さい。多くの皆様のご参加をお待ちいたしております。

高齢ドライバーに対する認知機能検査強化を閣議決定



高速道路の逆走事故が年間200件程度発生しており、その7割が65歳以上の高齢ドライバーによって起こされている。そのため、政府は2015年3月10日に75歳以上の高齢ドライバーに対する認知機能検査を強化する道路交通法改正案を閣議決定した。そして、同年中の国会で成立させ、2年以内での施行をめざすことになった。
現行システムでは、検査結果によって第1分類(認知症の疑いあり)とされ、なおかつ過去1年以内に交通違反があった人のみ専門医の診断が義務づけられる。そして、認知症と診断されると免許が取り消された。しかし、改正案では、第1分類となった全員に専門医の診断が義務づけられる。また、第2分類(認知機能低下の疑いあり)や第3分類(認知機能低下の疑いなし)でも認知症が疑われる交通違反を起こした場合には臨時検査が義務づけられ、そこで第1分類に入ると専門医の診断を経て免許が取り消される。
高齢ドライバー激増時代に突入し、認知症を患っても運転を継続している人が少なくない。したがって、この決定は世論から一定の支持を得ている。しかし、問題がないわけでもない。大きく次の3点を指摘したい。
(1)1分類に入る人は検査受診者の2%強であり、今後の高齢ドライバー激増を考慮すれば実人数は大幅増加する。そのため、全員に専門医の診断が義務づけられると医師の確保が困難になる。専門医の範囲拡大(例えば内科医まで)などが検討課題となる。
(2)現行検査はアルツハイマー型認知症のみをターゲットとした検査であり、他の認知症については捉えられない。とりわけ、交通事故と密接な関わりがあるとされるピック病が捉えられないことは依然として問題として残る。 
(3)高齢者にとって運転免許の所有は自立の象徴である。車の運転ができるということが家族の中で自分の存在意義に関わることも少なくない。したがって、運転断念後のケアを家族だけに負わせることは難しく、生活指導を含めたカウンセラー役の養成を社会全体で考えていく必要がある。(所正文)

格差と信頼感



長い不況、就職難、少子高齢化社会、
高度経済成長を経験した今の親世代と比べて、
現代の若者世代は、「割を食っている、不遇な世代である」という
言われ方をすることがある。

現在国民年金の不払い(H24現年度分納付率59%)は大きな社会問題となっており、
とくに不払いは若年層に高率である。
背景にはもちろんニートや非正規労働者の増加などの問題も存在するが、
同時に、年金記録問題など行政の失態で制度に不信感を抱いたり、
若い世代では「高い保険料を払っても自分たちはわずかしかもらえない」と、
高齢者世代のために負担を強いられているという思いが
これを助長していると考えられる。

客観的な指標をみれば、
日本の親世代は世界でもっとも子どもの高等教育に出費し、
遺産を多く残している面もある。
また会社に家庭に時間を捧げてきた親世代が、
今の若者たちより楽に生きたなどと簡単には言えない。

格差という言葉がいろんな場面で聞かれるようになった。
実際は親世代と子世代は相互に支え合っているが、にもかかわらず、
主観的側面での不公平感や世代間格差という言葉によって
対立を助長するようなことは避けなければならない。
(坂井圭介)

ブラック企業名の公表に効果はあるか?



 厚生労働省は、違法な長時間労働や残業代の未払いを行う企業、いわゆる「ブラック企業」の企業名を公表する方針を固めた。従来は書類送検された場合のみ公表されていたが、今後は行政から是正指導された段階で公表を行う。
 ブラック企業とは、元々はインターネット上で使用されていたスラングに近い言葉で、暴力団のフロント企業を指す言葉であった。それが転じて、異常な長時間労働、残業代未払い、低賃金、高い離職率、社長のワンマン経営、コンプライアンス違反、人間関係が悪い、セクハラやパワハラが横行している、などの悪質な労働環境の企業を指す言葉として社会に広まり定着した。
 このようなブラック企業の存在は社会にとって害悪であり、対策が必要であるが、行政が公表を行うことに果たしてどの程度の効果があるのだろうか。今回の公表方針では、対象は大企業のみで、中小企業は対象外である。日本人の多くが勤める中小企業名も公表しなければ、効果は薄いだろう。また、指導を行う厚生労働省自体が長時間労働がなされている場所であり、そこが長時間労働などの是正を指導しても説得力に乏しい。そして、現状では労働基準法自体がほとんど守られておらず、これを厳密に適用すればほとんどの企業が公表対象となってしまうのではという懸念もある。ブラック企業問題は一筋縄ではいかない。
(鈴木聡志)

2015年5月13日

本の紹介:人を結び、未来を拓く世代間交流



登録情報
 単行本: 181ページ
 出版社: 三学出版 (2015/04)
 発売日: 2015/04
三学出版booklist
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日本世代間交流協会編著の新刊です。
2015年4月発刊(三学出版)の出来立てです。
十数人の著者と10数章から構成されています。

私もその第8章(86-99頁)に
「大学生における高齢者世代との交流意識とエイジズムとの関連」
というタイトルで、
世代間交流を進める上で、
促進・妨害要因となり得るエイジズム(老いに対する偏見・誤解)についての
調査結果についての論説です。

他の著者の方々も、
幼若・老若世代間の交流に関する調査報告や実践活動について、
多角的視点から論じておられます。ぜひ、ご一読をお勧めします。
(谷口)