2016年5月12日

認知症の発症と予防


1..運動と睡眠と認知症の関連はあるのか

 無理のない運動(ウォーキング)が、認知症の発症を少なくする。非運動群の認知症発症率を、1.0とすると、運動群の発症率は、0.6倍となり、約4割も減少する。また睡眠量と認知症の原因となるβアミロイドの代謝量は有意に関連している。日々の生活において、頭を使うと、脳内の神経細胞の中に、βアミロイド蛋白が蓄積する。睡眠中に、そのβアミロイドが代謝されて減少する。睡眠の質が良い(熟睡)と代謝が旨くいくが、睡眠の質が悪いと(睡眠不足・徹夜など)代謝が旨く行かず、返ってβアミロイドが増加して、認知症の危険が高まる(オランダの研究)(NHK 総合テレビ 特集番組から、May in 2015)

2.アルツハイマー病を予防することはできるのか
 米国の国立加齢研究所National Institute on AgingNIA)では、30以上の臨床研究が進められているが、アルツハイマー病の予防法は、未だ確立されたものはないと言われている。ただ、運動は、そのリスクを下げる可能性がある。運動することで脳の血流が増え、記憶にかかわる神経細胞を守る物質が増えるためらしい。運動のほか、野菜や果物が多く脂肪が少ない食事、質の高い睡眠、動脈硬化や糖尿病の予防、禁煙などがリスクを下げる可能性がある。多くは、生活習慣病の予防と共通する。(朝日新聞デジタル版、May in 2016)