2016年11月14日

地域包括ケアシステムにおける心理士の役割

 地域包括ケアシステムは、国の定める制度として、全国の各自治体に2025年度までに設置することが義務付けられている。2016年現在は、全国数か所の自治体で試験的にスタートしたところで、大方の自治体では今から検討に入るところのようだ。横浜市、柏市、相模原市なとで、その試みが試験的に行われたている。住宅供給公社などが、その制度の一翼を担う建物の整備に取り掛かっているが、家庭と医療と福祉と行政と民間団体の各所をつなぐ人的整備に関しては、いまだ手つかずのようだ。行政にも、その対策に関するアイディアが浮かばないというのが本音ではないだろうか。そのコーディネーター役として、どのような専門家が、どのような役割を担うか、定義づけから開始しなければならない。その役割の一端を、心のケアを専門とする臨床心理士や平成30年度から国家試験が開始される公認心理師が担えるように、その養成システムを構築することが望まれる。そのためには、改めて地域包括ケアシステムのなかで発揮できる心の専門家としての専門性の内容を定義し、行政や医療機関に向けて提言していくことが必要である。

[臨床心理士等が地域包括ケアシステムにおいて担える専門性](試案)
◇一般社団化した養成機関において地域包括ケア心理士の養成カリキュラムを構築
◇基本は、住民の心のケア-友愛訪問や個別の生活相談・カウンセリングを通じての住民の孤独の癒し、生きがい獲得支援
◇他の専門機関につなぐ連絡調整的役割
◇他の専門士や家族成員の心のケアを担う役割
◇介護保険制度のサービスプログラムに位置付けること
◇地域で、子どもから高齢者までの心のケアに対応する

◇地域で、健常者から障碍者までの心のケアをカバーする