2015年4月20日

自動運転



人間による自動車の運転行動は、刺激を知覚し、その意味を読み取り、それに対する適切な行動をとるといった一連の「認知-判断-操作」機能によって司られている。これは筋能力と感覚との調整(協応)能力であり、心理学ではサイコモーター特性(精神運動能力)と呼ばれている。人間を介さずこのメカニズムが機能するとき、まさに自動運転の完成であり、現在急ピッチで開発競争が進んでいる。
ブレーキとアクセルを踏み間違えても、自動車内に搭載されたカメラと超音波センサーによって衝突前にブレーキが作動するシステムはすでに実用化している。渋滞時にこまめにペダルを踏むことなくハンドル操作だけで車間距離を調整するシステムも動いている。
現時点での自動運転の目的は、渋滞解消や交通事故の予防などへの貢献が指摘されているが、高齢者や子ども、障害者など、自ら運転できない人を運ぶことに大きなニーズがあると見る向きもある。〈解説:所正文〉