2015年4月27日

5人は仕事をやめました



100人のうち 1.5人は認知症です 2030年には 3人になります」

これは「日本がもし100人の村だったら」(2009)からの引用である。
100人のうち1.5人という数は、
2008年の厚労省による報告456.7万人を元にしている。
2012年時点では462万人、2025年には700万人と推計され
間違いなくその人数は増えていく。

認知症が身近な問題になるについて、
メディアで取り上げられることも多くなってきた。
認知症患者のすべてに徘徊や妄想、暴力といった症状BPSD)が
みられるわけではないのだが、
ことさらに不安を感じさせるような映像もないわけではない。

老いの先の姿を恐れながら生きることが
幸せと呼べるはずはない。
認知症に対する支援を充実させるとともに、
正しい情報と、誤解や偏見を取り除くような働きかけが必要だ。

本の言葉はこのように続く。

「家族の介護をする100人のうち 5人は仕事をやめました」

厚労省は今年1月、
認知症施策推進総合戦略「新オレンジプラン」をスタートさせた。
専門人材の育成とともに、
職場や地域が理解を示し、社会全体で支援する仕組みづくりを
加速させなければならない。

(坂井圭介)

生きる意志への気づき


たとえ死刑囚といえども、臨床家はその内面に微かな光(ともしび)を見いだすことができるという。その「ともしび」こそが、まさに人間としての「生きる意志」であり、それが大きな炎として全体に広がれば、その人物は真人間として生きることができたのだという。残念ながらその人物は生きる意志であるともとびに気づく(気づき,awareness)ことができなかった。大きな炎にならなかったのだという。自己認知に関わる重要な知見である。[引用文献]『働く者の生涯発達:働くことと生きること』(白桃書房, 所正文)〈解説:所正文〉

高齢者の就業タイプ


「同一業務での継続雇用」を多くの人が希望する。しかし、それを実現できる人は極めて少ない。一方、「同一業務での独立自営」、すなわち、一人コンサルになって、現在の仕事を請け負いで引き続きやっていくスタイルを取れればベストである。ただし、その場合、無理をせず、ローリスク・ローリターンであることが原則となる。また、発展型として「新規事業を独立自営」という方法もある。この場合には、40歳代後半からから社外で通用する専門的能力を身につける努力を始めておく必要がある(日経新聞2012.9.28)〈解説:所正文〉。

高齢者の働く理由は趣味から経済的理由へと変化


団塊の世代を含む6064歳の5割超が65歳以降も仕事を続けたいと考えている。70歳以降でも3割近くが仕事をしたいと望んでいる。かつては、「給料がなくても働きたい」という人も少なくなく、会社人間として仕事で満足が得られるように生きてきたため、定年後に趣味で同じ満足度を得られる人はむしろまれであったと言える。しかし、最近では、仕事をする理由として、「生活費を得るため」(63.8%)をあげる人が最も多く、公的年金のみでの生活が厳しく、生活のために働かざるを得ない現実を窺うことができる(日経新聞2012.2.22)〈解説:所正文〉。

海外に活路を見いだす日本の若者たち


新卒一括採用の慣行が根強い日本の労働市場では、一度就職でつまずくと専門技術や技能を持った人を除けば再就職の道は狭い。そんな日本での仕事に見切りをつける氷河期世代も出始めた。シンガポールで花屋を開業した31歳の男性。飛び入り営業で販売先を開拓した。今では欧州有名ブランド店のショーウインドーに彼の店の花が飾られる。今の雇用慣行では30代後半から再就職のハードルは一気に上がる。その高齢フリーター層に氷河期世代が入り始めている。彼らの再挑戦を受け止める雇用・労働環境をつくることは、日本の労働行政の大きな課題になっている(日経新聞2013.1.13)〈解説:所正文〉。