2015年4月20日

衝突安全と予防安全



安全車両の設計は、事故を未然に防ぐための「予防安全」(active safety)と、事故発生後の被害軽減のための「衝突安全」(passive safety)の2側面から取り組まれている。事故を未然に防げればそれに越したことはないが、万が一事故が起きても最低限乗員の人命を守る車両構造の設計は、死傷者を減らすために不可欠である。従来のわが国の交通事故対策は「交通事故をゼロにしよう」といった現実離れしたものであった。最近では乗員の受傷軽減と同時に乗員の救出・救護がスムーズに行えるための技術開発も進み、欧米のリスクマネジメントの考え方が徐々に受け入れられてきている。〈解説:所正文〉