2015年4月20日

認知機能検査



道交法では75歳以上の高齢ドライバーに対して3年に1度の免許更新時に、記憶力や判断力を測定する検査が義務づけられている。具体的検査は、時間の見当識、手がかり再生、時計描画の3検査である。検査結果によって第1分類(認知症の疑いあり)、第2分類(認知機能低下の疑いあり)、第3分類(認知機能低下の疑いなし)に分類される。従来は、第1分類で交通違反があった人のみ専門医の診断が義務づけられ、認知症と判断されると免許停止や取り消しとなった。しかし、20153月に閣議決定した改正案では、第1分類となった全員に専門医の診断を義務づけ、認知症と診断されると免許停止や取り消しになる。また、第2類や第3類の人でも認知症が疑われる交通違反を起こした場合は、臨時検査を義務づけ、そこで第1分類の場合は、専門医の診断を経て免許が取り消される。改正法案に対しては、認知症のみを名指しで免許を制限することは患者への差別であり、実効性に対しても疑問があるとの批判が関係学会から出ている。〈解説:所正文〉